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2025.10.17
ー社労士の勉強スケジュール完全ロードマップ——最短合格のための逆算と習慣化ー
社労士試験の全体像を把握し、合格日から逆算する
社労士の勉強スケジュールを作る第一歩は、試験範囲と試験形式を正しく把握し、試験日から逆算して「いつまでに何を終えるか」を決めることです。労基・労安、労災、雇用、徴収、健保、厚年、国年、社一の8科目は、条文、判例、通達、過去問の横断が不可欠です。択一式と選択式では問われ方が異なるため、同じ時間でも配分の濃淡をつける計画が必要になります。
タイプ別:到達目標から見た学習期間プラン
学習期間は生活状況で大きく変わります。ここでは典型的な三つのモデルケースを挙げ、到達目標と日々の分量の目安を示します。自分の現状に近いものをベースにしつつ、週次で調整していけば、無理なく継続できる現実的なスケジュールになります。
6か月集中プラン(短期決戦)
・1日あたり3〜4時間、週25時間以上を確保/平日2時間+通勤・スキマ1時間、休日各5時間
・1〜2か月目:基礎講義の視聴と基本テキスト通読を1.5周(ノートは最小限の加筆)
・3〜4か月目:過去10年分の択一を2周、選択は分野横断の穴埋め訓練を並走
・5か月目:法改正と白書統計の論点整理、苦手科目の集中特訓
・6か月目:予想問題で時間配分と出題形式に最適化、直前総まとめ
12か月余裕プラン(着実積み上げ)
・1日あたり1.5〜2.5時間、週12〜16時間を確保/「平日1.5時間+休日4時間×2」が基本形
・前半6か月:インプット2周+論点カード作成、過去問は易〜標準を一巡
・後半6か月:過去問を本格周回、弱点補強と選択式の語句再現トレ
・毎月末に科目横断のミニ模試で理解の穴を可視化して補修
働きながら合格プラン(朝型・夜型を選択)
・平日:出勤前45〜60分、昼休み10分×2、帰宅後45分の合計2時間前後
・休日:午前・午後に各2時間ずつのブロック学習
・朝型は記憶系、夜型は演習系を配置して脳の特性に合わせる
一日の学習ルーティン設計:固定枠とスキマの組み合わせ
毎日の学習は「固定枠(必ずやる核)」と「スキマ枠(変動で埋める)」の二層で設計します。固定枠には過去問と条文音読、スキマ枠には論点カードや白書の統計確認を置くと、忙しい日でも最低限の質を担保できます。自分の生活リズムに合う時間帯を見つけ、同じ順序で回すことで習慣化が加速します。
固定枠(毎日同じ)
・過去問択一30問(苦手2:得意1の比率で)
・条文・法令の音読10分(声に出して語句を定着)
・暗記事項の瞬間復習5分(アプリや単語帳)
スキマ枠(状況に応じて)
・通勤中:音声講義1チャプター
・待ち時間:論点カード3枚の即答→根拠確認
・就寝前:選択式の語句想起トレを3問
科目別の回し方:択一で干支回し、選択で語句再現
科目の性格を理解し、回し方を変えます。択一は論点の網羅性と処理速度が鍵なので「干支回し(12ブロックに割って毎日1ブロック)」で抜け漏れを防ぎます。選択は語句再現の精度が勝負のため、設問→空欄語句→根拠条文の順に逆引き学習を徹底します。
労基・労安/健保・厚年のポイント
・定義・適用範囲・給付要件は表で比較して覚える
・罰則や端数処理など細目は「例外だけカード化」して過学習を防止
・給付計算は頻出パターンを数値置換で反復
雇用・徴収/労災・国年・社一のポイント
・名称が似る規定は「違いだけ強調」し、同質化を避ける
・白書・統計はグラフ化→数値の語呂合わせ→週1の上書きで定着
・社一は制度横断の関連図を自作し、因果の流れで記憶
週次・月次レビュー:KPIで可視化し、微修正を繰り返す
成果を可視化できるKPIを設定します。週次では「過去問の正答率・演習量・未着手領域」、月次では「模試偏差値・科目別の弱点ランキング」を確認し、翌期間の配分を調整します。小さな誤差を毎週修正することで、大きな遅延に発展するのを防げます。
週次レビュー手順
・正答率65%未満の科目は翌週+30%時間上乗せ
・タイムログから「集中が切れる時間帯」を特定し枠調整
・誤答ノートは「原因分類(知識欠落/読み違い/時間切れ)」まで書く
月次レビュー手順
・模試は偏差値ではなく設問タイプ別の弱点で分析
・苦手トップ3を「朝一固定枠」に格上げして強制リカバリ
・学習計画は必ず「やらないことリスト」も更新する
直前期(本試験60日前〜前日)の走り方
直前期は「点を獲り切る設計」に振り切ります。新しい参考書に手を出さず、過去問・予想問・改正論点・白書の比率を高め、時間当たりの得点期待値が最大になる順に並べ替えます。メンタル負荷を下げるため、就寝前の軽い復習ルーチンで翌日の着火剤を用意しましょう。
60〜31日前
・択一は苦手肢のみに絞った反復、1周の速度を倍化
・選択は「語句再現→根拠条文→一言要約」を1セットとして回転
・毎週1回、本試験時間での通し演習+復盤60分
30日前〜前日
・改正論点のカードを毎日総なめ、白書統計は頻出表のみ
・ファイナル模試は2回まで、復習8:受験2の比率を厳守
・前日は「睡眠優先・軽い音読・持ち物再確認」のみ
よくある失敗と回避策
スケジュールは作るより守る方が難しいものです。よくある落とし穴は、完璧主義による過剰ノート作成、未消化の教材増殖、レビュー欠如による同じミスの再生産です。回避策として「最小限の道具で回す」「毎週レビューする」「未完了の原因を言語化する」の3原則を徹底しましょう。
過剰ノート問題
・講義の板書を写さない。テキストの余白に「自分が迷った一点だけ」を追記
・1ページ1論点、写真撮影してモバイルで即復習
教材増殖問題
・「使う教材は開始時に固定」。途中で入れ替える場合は既存の1冊を捨てる
・比較検討は週末30分だけに制限し、平日は手を動かす
ツールと仕組み化:継続できる環境をつくる
継続のコツは、意志よりも仕組みです。タイムトラッカーで学習時間を可視化し、ポモドーロで短い集中を積み重ね、音声講義や条文読み上げで移動時間を学習化します。家族や同僚に目標を宣言し、進捗を共有する仕組みを作ると、外部からの適度なプレッシャーも得られます。
おすすめのルーチン化アイデア
・朝のコーヒーが冷めるまで条文音読/昼食後に論点カード10枚
・帰宅電車で選択式の語句想起3問→到着後すぐに根拠確認
・就寝前に「明日の最初の1問」を決めておく
進捗の見える化KPI
・週の演習量(問数)、正答率、復習間隔、未着手領域の面積
・「今日の勝ちポイント」を1行で記録し、自己効力感を貯金
すぐ使える週間テンプレート(例)
初学者でも運用しやすい、可処分時間に合わせた週間テンプレートです。まずはこの型で2週間回し、実感値に応じてブロック長や科目配分を微修正してください。細部は状況で変わっても、核である「固定枠+レビュー」を崩さないことが成功の近道です。
平日(各日)
・朝(30分):条文音読→前日の誤答3問を復習
・通勤(20分×2):音声講義/論点カード
・夜(60分):択一30問→復盤20分→暗記5分
土曜
・午前(120分):科目横断の択一演習→復盤
・午後(90分):選択式トレ+白書統計の確認
・夜(30分):週間レビューの下準備(誤答の原因分類)
日曜
・午前(120分):模試形式の通し演習
・午後(60分):弱点補強メニュー作成(来週の固定枠を再設計)
・夜(30分):改正論点のカード見直し→早寝
最後に:スケジュールは「合格点に届く行動の集合体」
スケジュールは目的ではなく、合格点に届く行動を日々積み上げるための設計図です。完璧な一日より、80点の学習を365日続ける方が強い。自分の生活に合った現実的なプランを選び、固定枠を守り、週次で少しずつ調整する——その地味な反復が、合格という大きな成果に確実につながっていきます。