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2022.12.16

社会保険労務士と弁護士の違いとは?どちらに相談したら良いか

 

社会保険労務士と弁護士はどちらも企業にアドバイスを行い労働問題を解決する専門家として共通しています。
しかし、社会保険労務士と弁護士の資格は大きく異なり、実際にカバーできる業務内容は違います。

 

そこで、社会保険労務士と弁護士の違い、企業が相談できることなどについて解説します。

 

社会保険労務士の業務内容

社会保険労務士は企業を運営していくうえで必要な「お金」「モノ」「人材」のうち、人材に関する専門家です。

 

企業における従業員の採用から退職にいたるまでの労働問題、社会保険に関する諸問題や年金の相談に応じるなど、労務に関する専門家として業務内容は広範囲にわたります。

 

社労士の独占業務

社会保険労務士の業務は具体的に1号業務、2号業務、3号業務に分かれ、1号業務、2号業務は社労士の独占業務となります。

 

【1号業務】
・労働社会保険諸法令に基づく申請書類の作成、提出に関する手続代行
・事務代理

 

【2号業務】
・労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類等の作成

 

【3号業務】
・労働問題や社会保険関連のコンサルティング業務

 

では、具体的にどのような仕事を依頼できるのか見ていきましょう。

 

年度更新・算定基礎

・労働社会保険の適用
・労働保険の年度更新
・社会保険の算定基礎
・各種給付金等の申請
・就業規則の作成・変更

 

などを依頼できます。

 

4~5月の労働保険の年度更新業務や、7月の社会保険の算定業務は煩雑な事務で企業にとっても大きな負担となります。
社会保険労務士がこれらの複雑で多岐にわたる事務手続きを専門家の知識で的確に処理します。

 

労働安全衛生

・労働安全衛生管理
・就業環境の改善のアドバイス

 

労働者の安全衛生管理を行うのは事業者の役目ですが、ある程度の専門的な知識が必要です。
社労士に依頼することで健全な職場環境の実現をはかることが可能です。

 

年金の相談・請求など

企業には関係は薄いですが、社労士には個人の年金相談や年金の請求手続きを依頼することもできます。

 

・年金の相談
・年金の請求

 

年金制度は現在、新旧の制度が並立しているために分かりにくい点が多くなっています。

 

社労士に相談することで受給資格に関しての説明や、将来どれくらいの年金がもらえるのかのアドバイスをしてもらえたり、年金の裁定請求に関する書類を本人に代わって作成、提出してもらえます。

 

弁護士の業務内容

弁護士はすべての法律事務を職務としているため、広範囲な権限が与えられており、労働問題に関する交渉全般の代理権限を持っています。

 

労働問題が発生した際、労働者や労働組合に対して代理人として交渉権限を持っているのは基本的に弁護士のみとなります。

特定社会保険労務士は労働局のあっせん手続きの代理権を持ちますが、そのほかの交渉を報酬を得て行うことはできません。

 

また、弁護士は労働問題全般における訴訟、労働審判、仮処分等の裁判手続きすべての代理権限を持っています。

 

交渉がうまく行かなかった場合、裁判手続きに移行することになりますが、この裁判手続きで代理権限を有しているのは弁護士のみとなります。

 

特定社労士とは

特定社労士とは

特定社会保険労務士とは個別労働紛争における代理人としての業務が認められた社労士のことです。

 

「労働紛争手続き代理業務試験(特定社労士試験)」に合格し、かつ付記申請をした社労士は紛争解決手続きの代理業務が認められています。

 

紛争解決手続き(ADR)は、訴訟手続きによらず民事上の紛争を解決しようとする当事者のために、公正な第三者が関与し、その解決を図る手続きです。

 

ADRにより、裁判によることなく、法的なトラブル解決が可能となります。

特定社労士はこの手続きの代理人としてあっせんや調停、仲裁の手続きをすることができます。

 

特定社労士と弁護士の違い

特定社労士には「示談交渉」の代理権はありません。
従業員と直接交渉する場合には弁護士に依頼する必要があります。

 

裁判所での手続きも特定社労士の対応範囲外となりますので、労働審判や労働訴訟になったら弁護士に代理を依頼することになります。

 

社会保険労務士と弁護士の役割の違い

社会保険労務士の役割

社会保険労務士は社会保険業務や帳簿作成のほか、労務のスペシャリストとして企業を支えています。

 

社労士は人事労務面からみて、企業が健全に業務を行い、活動することをサポートすることが主な役割です。
また、労務トラブルを未然に防ぐために専門家の立場からアドバイスする役割を持っています。

 

弁護士の役割

一方、弁護士は人事労務面では企業が労務トラブルに巻き込まれた際のサポートや、業務提携等における人事労務戦略の見直し等の場面でサポートするのが主な役割です。

 

トラブルが起こってしまったときの対応や、企業の労働問題を解決・防止することが弁護士の大きな役割と言えるでしょう。

 

労働問題を未然に防ぎ人事労務業務をスムーズにするには社労士

社会保険労務士には社会保険の手続きや帳簿作成、事務をアウトソーシングすることができます。

 

士業として業務のアドバイスをするだけでなく、業務そのものを委託できる点は大きなメリットです。

 

担当部署の人員が少ない場合や社長自らが帳簿作成や、社会保険の手続きをしており業務を圧迫しているケースは少なくありません。
これらの業務を社労士にアウトソーシングすることで、社内の業務を軽減でき、企業運営をスムーズにすることができます。

 

トラブルが起こった場合は弁護士が対応

弁護士は紛争解決の専門家です。

企業の人材が増えてくると労務トラブルの発生リスクも高まります。

 

労働問題は残業代、解雇・リストラ、セクハラ・パワハラ、労災などさまざまな問題があり、このような問題が起こってしまった場合、企業の代理人として労働者と交渉をしてもらったり労働審判や訴訟への対応を任せることもできます。

 

トラブルの解決には弁護士に依頼することになります。

 

企業の課題に適した専門家に依頼する

企業の人事労務では、社会保険労務士に依頼すべき業務と弁護士に相談すべき業務の両方があるため、両方に依頼するのが理想です。

 

しかし、現実問題として両方の専門家に依頼するとその分費用がかかってしまいます。
2つの専門家に依頼する余裕がない場合は、企業の課題に適した専門家に依頼するのが望ましいと言えるでしょう。